笑顔の利用者さん(#^.^#)

私たちが訪問看護で関わる利用者さんの中には、麻痺があり、言葉を理解したり、会
話を交わすことが難しい方もいる。言葉でのやり取りができないと、こちらの声掛けや
思いがどれほど伝わっているのか、不安になることもある。しかし、その方のもとへ伺
うたびに、ゆっくりとこちらを見つめ、ふわりと笑顔を返してくださる。その瞬間、言
葉以上のものが確かに届いているのだと胸が温かくなる。

会話が成り立たないからこそ、表情やまなざし、呼吸の変化、手指のわずかな動きな
ど、小さなサインに気づこうと自然と寄り添う姿勢が深まる。「どう感じているのか
」「今は安心できているか」「何を求めているのか」。そのひとつひとつを一緒に探し
、共に過ごす時間は、丁寧で、優しく、そしてとても人間的だ。

笑顔は、決して作られたものではない。こちらが訪れたからこそ生まれた “その人自
身の反応” だと思うと、看護師としての存在が認められたようで、励みになる。言葉が
なくても通じるものがあるということを、利用者さんはいつも教えてくれる。

訪問看護は、ただの医療処置やケアではない。その人の生活の中に入り、その人らし
さを尊重し、安心と心地よさを届ける仕事だ。関わりの中で生まれるわずかな変化や笑
顔は、日々の積み重ねの中でしか得られない、かけがえのない宝物だと感じている。

今日もまた、あの笑顔に会いに行く。伝わるかどうかではなく、伝え続けたい思いが
あるから。そしてその笑顔が、私の訪問看護の大きな原動力になっている。

訪問看護リハビリステーションかふく:松林