80代女性との印象的な出来事
80代の女性は、こちらが「こんにちは、訪問看護来ましたよ」と声をかけると、決まって「馬鹿野郎」と強い言葉で返答されることが多くあります。
初めのころは驚くこともありましたが、今ではそれも80代の女性なりの意思表示や生活の一部であると理解できるようになりました。
日常的に続くそのやりとりの中で、特に心に残る瞬間があります。
それは、ふとした拍子にその女性が表情を和らげ、笑顔を見せてくださるときです。
普段は厳しい言葉を口にされることが多いのですが、時折、我に返ったように落ち着き、2度ほど、ふっと笑われたことがありました。
その笑顔はとても自然で温かく、まるで心の奥にある優しさや穏やかさが一瞬現れたかのように感じられました。
その笑顔に触れるたびに胸がじーんとし、目頭が熱くなります。
普段は厳しい態度や言葉を見せていても、心のどこかに穏やかなやわらかさがにじむことは少なくありません。
しかし、その穏やかに垣間見える笑顔は本当に貴重で、支援を行う上で大きな励みになるものだと実感しています。
そういった方と接する中で、その人の本質に少しでも触れる機会を大切にし、その人らしさが安心できる形で表現されるよう心がけながら、今後も80代の女性の表情が増えていくような関わりを止めることなく、安心して過ごしていただけるよう丁寧な支援を提供してまいります。
訪問看護リハビリステーションかふく : 清藤
