「この仕事を選んだ理由とやってみての感想~ありがとうをいただくために」
私はもともと百貨店で長年勤務しており、お客様一人ひとりに寄り添った「おもてなし」の仕事に誇りを持っていました。転職して介護施設の施設長となった今も、その経験は私の原点です。
百貨店では「また来たい」と言っていただけることが喜びでしたが、介護の現場では「ここにいてよかった」「ありがとう」と言ってもらえることが、何よりの励みになっています。
しかし、ある時、利用者様、ご家族から「職員の声のかけ方、態度が怖い」と接遇に関する苦情をいただきました。忙しさの中で職員が笑顔を忘れ、思いやりの気持ちが十分に伝わっていなかったのだと思います。
私は百貨店時代に培った“相手の立場に立つ接遇”の大切さを改めて感じていました。
形式的な研修ではなく、「どうすれば利用者様が安心し、心から笑顔になれるか」を考え、今回の苦情を全職員が共有し、事業目標に掲げた行動計画(接遇マナーの5原則)を振り返り、「思いやり」の気持ちをもって日々実践・評価していくことといたしました。
実践開始から間もなくでもあり、現場の雰囲気はすぐには変わりませんが、ひとりからでも、少しずつでも変わっていけるよう継続して参りたいと思います。職員の声のトーンや表情が柔らかくなり、利用者様の笑顔が増えて、苦情をいただいたご家族からも、「雰囲気が良くなりましたね」、「ありがとう」の一言をいただけるよう、努力を重ねて参りたいと思います。
介護も接客も、何といっても“人と人との心の通い合い”です。どんなに立派な設備や仕組みがあっても、そこに「思いやり」がなければ本当の満足にはつながりません。
百貨店で学んだおもてなしの心を、介護の現場で生かしながら、これからも一人ひとりの笑顔と「ありがとう」を大切にできる施設をつくっていきたいと思います。
シニアハウス三和:黒丸
