曽祖父との別れが教えてくれた介護の意味

私が介護の仕事を選んだきっかけは、つい最近まで一緒に過ごしていた曽祖父の存在です。幼い頃から穏やかな姿に触れ、身体が不自由になってからは家族が介助する様子を近くで見てきました。曽祖父が安心して過ごせるようにと家族みんなで支えていた時間は、私にとって何よりも大切な思い出です。そして、曽祖父の姿が「誰かの力になる仕事をしたい」と思う原点になりました。

先日、その曽祖父を見送る日が訪れました。悲しさはもちろん大きかったですが、不思議と後悔よりも「自分も誰かのそばに寄り添える人になりたい」という気持ちが強く残りました。介護の現場で働く今、その思いはより一層確かなものになっています。

とはいえ現実は簡単ではありません。職場では若い世代がほとんどおらず、私が最年少で新人。さらにコミュニケーションが得意ではないので、報告や相談で言葉に詰まることもしばしばあります。そんな私に、先輩方は「短くても大丈夫、伝えようとする気持ちが一番大事」と声をかけてくれました。その一言に救われ、自分なりのやり方で少しずつ前に進めています。

利用者さんにたくさん話しかけることはまだ苦手ですが、笑顔で挨拶をするだけで表情が和らぐ瞬間があります。その度に「言葉だけがコミュニケーションじゃない」と気づかされます。曽祖父がそうであったように、安心して過ごしていただける時間を少しでも届けられるように努力したいと思っています。

介護は大変な仕事ですが、人の生活に寄り添える尊さを日々実感しています。曽祖父からもらった気持ちを胸に、これからも一歩ずつ成長していきたいです。

訪問介護南津軽:齊藤